2018年10月07日

熟年超人の日 stage3 58

かのスーパーマンと一戦交えたという日本の若きギャング(全くのチンピラだが)は、訪ねてきた我々がA国人だったことで緊張していたが、L.C.が若く美しく、おまけに日本語が話せることに気を良くして、多弁だった(もちろん私には何を言っているのか分からなかったが、L.C.が後で話してくれた)
彼は肋骨を3本折って救急車で外科病院に運ばれ、それからこちらの警察病院に転院したということだった
以下は、彼の語った言葉の要点をまとめたものである(L.C.に私的に語りかけた言葉を省略)

[俺はガラス戸の陰にいたんだ。ヤスコー(この男は警官たちが現場に駆けつけた時には姿を消していて、その後の消息は知れていない)が、ドアと一緒に引き出されて吹っ飛ばされちゃいやがったんで、びっくりした俺は、思わず勢いでバットで殴りつけたんだ。そしたら、次の瞬間には、もう廊下まで吹っ飛ばされちまってるんだよぅ、あっという間にだぜ]
「殴りつけたとき、どんな感じがしたの?そう、手の感触、というか…」とL.C.
[それが、よくわからないんだよ。確かに肩んとこに当ったんだが、手応え、っつぅの、それが無くって…でも空振りじゃなかった、確かに当ったんだ]
(その後、スーパーマンの見た目の特徴や、事務所の中で起きたことなど質問したが、大した証言は得られなかった)

次に、同じ警察病院の別室に収容されているE田という男に会った。E田は、30才前の組ランク4番手ということだが、左肩をやられた上に、吹き飛ばされた先にあったガラスの応接テーブルで、尻の辺りを大きく損傷していて、ケンコーに比べれば重症で、ぽつりぽつりではあったが、行方をくらましているナンバー2のT野とスーパーマンのやりとりを、かなり鮮明に喋ってくれた

[兄貴は最初、P連合の鉄砲玉か?と訊ねたんだ。そしたらそいつは、自分のことをグリーンマンとか言ってたと思う。俺は肩と応接テーブルにはまっちまった尻が痛くて、聞いてるどころじゃなかったんだが、それでも兄貴が度胸決めて話してるんで、そこに感心してやりとりを聞いてたんだ。
そいつは、Aって奴に手を出すな、みたいなことを言ったが、そのときS原が日本刀で切りつけやがったんだが、あいつのマントが動いて刀が取られたかと思ったら、俺と一緒で吹っ飛ばされて休憩室のドアにめり込んじまった。
その後、T野の兄貴とあいつがなにか話していたんだが、俺は肩の痛さで気が遠くなりやがって、兄貴がチャカ(拳銃のこと)をぶっ放した音は聞いた気がするが、もうその先は覚えてないんだ]
以上がE田の供述だ

さらに続けて、休憩室のドアに突っ込んだというS原という男が収容されている部屋にも行ってみたが、この男はドアに突っ込んだときに気を失っていて、ただ一言だけのコメントが取れただけだ
[Aに害を及ぼす者は許さない、って言ってました]
また、Aという人物の名が出て来た。
注目すべきは、YAKUZA連中がそれぞれ武器を持って、グリーンマンというスーパーマンを殺傷する気で襲ったにも拘らず、いずれも吹き飛ばされて戦線を離脱させられている、ということ
さらに、Aという人物こそが、グリーンマンなる者を差し向けた者に間違いない、ということだろう
posted by ミスターK at 15:49| Comment(0) | TrackBack(0) | SF小説